本当にあった失敗。起業の怖さを知り成功しよう。

ポイント
  1. 積み重なる初期投資によって短命に終えた起業
  2. 何が起業の失敗を招く要因だったのか
  3. 起業の失敗要因から考える成功させるための方法

目次 [非表示]

昨今の起業ブームで起業はとても身近になりました。地方でも起業家コンテストが増えたり、国からの助成金や補助金も拡大しています。そのような中で起業での失敗が軽視されてきているのではないでしょうか。

長年勤めた会社を辞めて、新しいことにチャレンジする。立ち上げは難しいのはもちろんのことですが、一度全ての立場や収入を手放すことのリスクは大きいものです。今回は起業する前だからこそ読みたい、「本当にあった起業の失敗」を元にどうすれば失敗せずに成功できたのかを解説します。

積み重なる初期投資によって短命に終えた起業

退職金を得て資本金を1,000万円で大好きなカフェを始めようとしたAさん。起業を始めるという宣言をするとやはりその噂はすぐに広まります。SNSでも宣言すると周りの人からの応援メッセージは勿論のこと、色んな人を紹介するよとみんなが応援してくれます。

それなりの歳で起業をするということは資本を持っていることを意味します。そこを目当てに多くの人が目をつけました。紹介を受けた人には、初めから予算を目当てにアポイントメントをとる人も少なくありません。

Aさんもせっかくお店を開業するからには、気合を入れて内装を整えようとします。内装屋は開業するからには細部にこだわった店作りを提案します。Aさんもその気にさせつつ、予算を少し上回る見積もりを提案します。

内装屋はやはりプロなので上手にAさんを説得します。「ここで少しケチって将来の売り上げを半減させるなら、今を少し頑張って将来の売り上げを2倍にしましょう」と。起業や経営に関する知識がないAさんに「失敗」という二文字はありません。高級志向のカフェというコンセプトで開業の準備を進めました。

次にAさんはお店で使う家具や食器類の調達を始めます。紹介を受けた企業の中には様々な食器を取り扱っている企業がありました。様々なラインナップを取り扱っている中で、Aさんはやはり安かろう悪かろうと、高級品を選択します。

その結果、集めた資本のほとんどを店舗取得費や内装費などの初期投資に回すことになってしまいました。この時点でAさんはほとんどの資本を使っています。

販促費にお金を割けていないことにことに気付いたAさんは受けていた融資に手をつけます。HPの制作から集客までを一貫して任せました。知識がないのでその値段が妥当なのかはわかりませんが、質問をしても専門用語に頭が理解してくれません。あれよあれよという間に費用はかさみます。

そしてついにAさんのお店は開業します。最初は知り合いの人たちがお店を利用してくれるので、お客はに困ることはありません。しかし知り合いということもあり、割引やかけでお金を支払うこともざらにありました。

そして月日が経つごとにお客の数も減りました。販促費にお金をかけたはずなのに、新規のお客は集まってきていません。さらに、資金は初期投資に使ってしまっているので、継続するための十分な運転資金が残されていません。ついにはAさんは経営に行き詰まり、お店をたたむことになりました。

何が起業の失敗を招く要因だったのか

過剰な支出が起業の失敗の要因

Aさんはある程度の資本を準備したにも関わらず、失敗に終えてしまいました。資本が多いと安心しますが、資本には準備資金と運転資金に回すべきものがあります。ですがAさんは内装屋など多くの取引先に言われるがままに資本を垂れ流してしまいました。余裕があるので慎重さを欠いてしまいました。

知識のなさが起業の失敗の要因

専門知識がないのは仕方がありませんが、自身で努力を怠ってはいけません。起業をするということは自身に全てのリスクが帰ってきます。オーナーになるということなので責任が重大です。良識を欠いた提案などは少なくなってきたとはいえ、知識を持たない相手はビジネスにおいてカモ同然です。

企業は営利活動をする上で売り上げを出さなければいけないので、パッケージでの売り込みや細かなやり取りを通して少しでも支出を増やさせます。そこでAさんは上手く乗せられてしまいましたが、本当に必要だった提案は一部だったはずです。

そこは少しでも自身で勉強をして、知識を保有していると防げた失敗でした。また、他企業との相見積もりを行うと防ぐこともできました。考えることをやめてしまうと、その分の余計な資金はかかってしまいます。

同情が起業の失敗の要因

友達や知り合いがお店に来てくれるのは嬉しいものです。Aさんもしてしまった「割引」や「かけ」での売り上げの処理。本来ならばすべきではないですが、してしまうのには同情の心が生まれてしまっているからです。

知り合いが「せっかく来てくれた」という事実に対して過敏に反応してしまっていることを冷静になって考え直す必要があります。自身は提供者で、相手は受領者です。提供に対して対価をもらうのはビジネスにおいて基本中の基本です。

そこをなくしてしまうと、当たり前ですが売り上げを生むことができないので倒産に直結する要因です。場を提供するイベントなど、他の部分でマネタイズをすることも可能ではありますが、原点に立ち返った時に何でビジネスを始めたのかを認識しましょう。

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