誰でも売れるようになる営業の組織化、仕組みづくりのポイント

ポイント
  1. 社長しか売れないのは営業の組織化、仕組みがないため
  2. 営業の組織化、仕組みによって持続的に売上は伸びていく
  3. 営業の組織化、仕組みづくりの全ノウハウ、手順

目次 [非表示]

中小企業において組織化、仕組み化できるかどうかが会社の持続的な成長の最大の要因となります。実際の中小企業はどうかというと、組織化、仕組み化とは真逆のワンマン化、属人化が日々加速してしまっています。

ワンマン状態で会社成長が止まってしまっている社長がまず理解することも合わせてお読みください。

この記事では、ワンマン化、属人化が最もしやすくなる営業について、誰でも売れる、できるようにするための組織化、仕組み化する方法をご説明します。

営業とはどんな仕事かを明確に定義することからスタート

営業とはそもそも何か?という定義が間違えてしまっていると、必ず間違えた結果になってしまいます。社長は当たり前にわかっていることであったとしても、組織化、仕組み化していくためにはその当たり前を、言語化し、定義などを明確にしなければ誰でもできる、売れるという状況はつくることができません。

営業とは何か?

たとえば、 営業とは、 「とにかく数字をつくること、売ること」

という定義をしたとするとどうでしょか?

この定義を営業マンが持ってしまうと、極端なことをいえば、法律違反、倫理違反、お客さんへの押し売りなどという結果になってしまう可能性をとても生じさせます。

なぜなら、数字をつくること、売ることが最も重要なことであって、数字をつくることができない、売ることができないと営業マンとして評価をされないということなので、評価をしてもらうためには、とにかく数字をつくろう、売ろうとなっていくわけです。この状態で悪く作用していくと、営業マンが追い込まれていき、売れていないのに売れたと嘘をついたり、ノルマ達成のために倫理的に許されないことをしたり、お客さんが求めていない商品、サービスを無理やり売るなどということに繋がってしまいます。

そのため、営業とはそもそもなんなんのか?という会社で共通の定義を定め、徹底的に理解、実践させることからスタートするのです。  

営業とは

「お客さんのお役に立つために、お客さんの話をよく聴いて、状況に合わせて適切な商品、サービスをご提案すること」

と定義されていたらどうでしょうか?

「とにかく数字をつくること、売ること」という定義の場合とは全然違った行動、結果になりそうですよね。

定義が明確であればあるほど、どうしていけばいいかということが定義からブレイクダウンして考えることができるようになるわけです。

営業の仕事の基準を明確にする

営業の仕事の基準を明確にするというのは、先に書いた営業の定義をより具体化するということでもあります。

営業としての仕事やその具体的な行程を分解していくことをします。
個々の営業マンごとに仕事の基準が違ってはいけません。

たとえば、仕事の基準が明確になっていないことによってよく起きることですが
必ず適切にとあるステップを経たら(商品説明後の商談など)、お客さんに商品、サービスの利用についてどうされるか「YESかNOか」を必ず聞くなどということを決めておくということです。

何となく営業マン個人の感覚で「このお客さんはダメだ」と判断をして、「YESかNOか」の提案すらしないで勝手に無理だと思っている営業マンが結構多くいたりします。

この状況があると、営業マンは結果としてそれっぽい言い訳や理由を言うようになったり、状況が営業マンに属人化してしまう結果にもなります。また、会社として売れない原因がどこにあるかが正確につかめず、改善などできない状況になってしまいます。

そのためにも明確に仕事の基準をつくるということが大切です。
ここまでして、こうなったらそれは仕方ないとか、ダメという判断をする基準でもあります。

営業マンの仕事のやり方を理解させる

営業とは何かを定義し、定義を更に深堀り、具体化し基準とします。このことによって、目的、実際の目的達成のためにやるべきことなどの全体感、各工程が具体化されているはずです。
次に、目的達成や各行程をうまくできるようにするために、
>そもそも営業マンとしてどうあるべきか、どうするべきかを教えてできるようにさせることをします。

営業とは話すことでなく聞く

たとえば、営業マンとして大切なあり方、やり方として、売れる営業マンほど

話すことでなく、聞くこと、そのための質問力や気に入られる力があるので、聞くこと、質問する力はどのようにしたら強化されるのか、また、できるようになったのかをチェックしていく仕組みが必要になります。

売れない営業マンほど、自らのトーク/話す力によって、相手を説得することが営業の仕事だと思っているわけです。

これは根本的に違うわけです。売れる営業マンというのは自分が話すのでなく、相手に話をさせて、その中で困りごとなどの情報を集め、自社商品、サービスが役に立てないか、よい切り口、提案の機会をうかがっているわけです。

このような一般的に、また、会社内 でこれは大切だというあり方、やり方を教えて、営業マンができるようなるための仕組みをつくるわけです。

誰でもできるようにするためにマニュアルをつくる 

上記の例で話を続けますが、質問の力が大切なので、質問がうまくできるように意識しましょうという指示だけでは、各営業マン任せになってしまうので、これではなかなか目的は達成されません。そこで、質問の力が高い状況とはどういうことができている状況なのかを言語化していくわけです。これがマニュアルとなります。

たとえば、質問というのは(ヒアリング)  

  1. 人間的に気に入られる
  2. 自社の商品、サービスを販売するというGOALに対して必要になる情報を集める

ための質問に分けられるとします。

1の人間的に気に入られることを実現するための質問としてはどのようなことを質問したらいいのか?また、ただ質問項目だけではなく、その質問はどのようなタイミングや文脈でするべきなのかまでマニュアルには落とし込むべきです。

さらに、マニュアルをただつくってもうまくはいきません。必ず、営業マンができるようになるまで実践させる=ロープレをさせて、定期的にできている、できていないを確認する機会をつくるべきです。

営業の行程すべてをマニュアル化する

営業の行程をすべて分解し、各工程のポイントなどをを言語化=マニュアル化しましょう。
つくったマニュアル通りに営業マンができるように各工程などのゴールを明確にして、 ロープレなどによってチェックの仕組みをつくります。

このときに、よい営業、悪い営業の評価が誰でもできること=基準が明確になっていることが、結果を生み出すためにはとても重要なポイントになります。

この部分が社長しか良い営業、悪い営業をジャッジできないとなると、それは基準がマニュアルになっていない、属人化を生み出す要素がまだまだ残っているということであります。

商品、サービスを自分の言葉で話せるレベルにする

営業マンに対して、

「うちは何をしている会社ですか?」
「うちの商品、サービスを全て言ってみてください」
「この商品の特徴を15秒でお客さんがいると思って説明してください」 ;

貴方の会社の営業マンはこれらがちゃんと言える、できるでしょうか?
実際にちゃんと言える、できる会社はかなり少ないと思います。

会社として組織化、仕組み化をする上では、性善説でなく性悪説で、人はなかなか言われてもその通りには動かないという前提で、チェックの仕組みを持つことが大切になります。

たとえば、全商品、サービスの資料がつくられていたとして、
資料を渡して、ただ覚えておいてと言ってもやらない可能性が高かったり、 どの程度まで覚えればよいのか明確にしないとわからないわけです。

そのため、最初にあるべき姿を示し、そこまでできるようになってくださいと指示をして、 できるようになっているかを必ずチェックすることが大切になります。

このできるようになっているかどうか、それを学ぶための資料、
できた、できないのチェック表などあるとより組織化、仕組み化を加速させることができます。

当たり前なのですが、扱う商品、サービスを営業マンが自分の言葉で言えないのは致命的です。ただ何となく商品、サービスを知っていることと、お客さんに説明できることは全く違う次元なわけです。

社長が営業の現場より退場する

社長が営業しなくても社員で売上を伸ばせるか?その組織、仕組みがあるか?
が会社を持続的に成長させていくためには大切になります。

今の実態や、短期的に言えば、社長が営業をすることが一番簡単に売れるわけですが、
中長期的に言えば、その状況が続くと会社の成長は止まってしまうわけです。

社長が営業の現場にいる弊害の大きさをしっかりと理解しましょう。

社長が商品で社長だけしか売れないという個人戦をやめる方法も合わせてお読みください。  

社長が営業から抜けることができない原因の1つは売上が下がってしまうことを恐れているからです。社長が営業から抜けることで、短期的には売上は一時的に下がることもあります。
ただ、営業の組織化、仕組み化ができれば、中長期においては売上は今まで以上のものとなりますし、その質(=社長しか売れなかった状況から誰でも売れる状況)においても次元の違う差となります。

トップ営業マンはつくらないほうがいい

社長に限らず、うちにはスーパー営業マンがいるので売上が安定しているという会社は組織、仕組みという意味ではとても危ない状況にあります。

その営業マンがいなくなったら終わるからです。
まさに個人の営業マン依存になってしまいます。

個人の力に依る結果でなく、仕組みに依る結果を出さないといけません。
組織、仕組みにおいて経営者が考えるべきポイントというのは、
「誰かが辞めてしまうと困ってしまう」という状況をつくってはいけないということです。
また、間違えて、できる営業マンをチヤホヤしてしまい、できない営業マンを育てないと、
結果として個人依存を高め、組織、仕組みを弱くしてしまうので注意しましょう。

営業を教える人をつくる

社内でしっかりと営業についてを教えられる人をつくるべきです。
これは営業マンとして優秀で、かつ、教えるのがうまい人を選ぶことが大切になります。

教えるのがうまいということがポイントです。
1番売れる人が教えることを任せられるケースがしばしばありますが、
1番売れる人が教えるのこともうまいわけでは往々にしてないということです。

1番売れる人を教える人にしてしまって、この人が教えることは下手なことがしばしばあります。この状況は良くない結果をもたらします。1番売れる人なので、社内でポジションがあるので、もしこの人が教えるのが下手だと
ポジションのせいで(この人の教え方が悪いのに、そこには焦点は当たらず)、教わった営業マンが成長しない、真の原因を間違えることになってしまうことがあります。

教える人としては、感覚的、主観的なアドバイスしかできない人を選んではいけません。

「ただ声を大きく」
「俺ならこう言う」

など 教えることを理解していない営業マンが教えることになると、
自分の自慢話になっているケースがかなりあります。
この自慢話には再現性がなかったりするわけです。

誰でも売れる営業の仕組みは会社を強くする

社長の仕事は自らが売れるようになることではなく、誰であっても売れる営業の仕組みをつくることでした。

社長以外の営業マン、それが入社して間もない人であっても、もし売れるようになったら会社の売上がどんどん上がっていくイメージを持つことができると思います。

弊社の01組織クラウドをお使いいただけますと、誰であっても売れる営業の仕組みをつくることができます。

まずは、社長がいなくても回る強い組織、仕組みの作り方について無料の動画をご用意していますので、是非合わせてご覧ください。

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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。